車を止めてからドアを開け深呼吸する。
やはり空気が旨い。
ふと見ると目線の先に姉貴の姿が眼に入る。畑の向こう側で洗濯物を取り込んでいた。大きな声で姉貴~!と叫ぶ。手を振り姉貴が答える。
車から荷物を抱えて、ただいま~っと引き戸を開けると囲炉裏の間は静けさに包まれる。荷物を置いて、家族が出入りする玄関から顔を覗かせると孫が炬燵で勉強していた。
お袋は?と聞くと、居るよ!と返事がすると同時にお袋が顔を出した。
今寝とった。とお袋。
どうした?調子悪い?と小生。
聞くと昨日は熱があったようで、病院へ行ったが検査しても熱の原因が解らなかった様で、風邪でも無い様だ。との事だったが、今は熱も下がった。と言っていた。
そんな会話の後、親父に線香をあげる。と言ってお袋と一緒に仏壇の前へ行きローソクに火を灯し、線香に火を付ける。線香を手向けてから御リンをち~んと二回鳴らして手を合わせる。
仏壇の前で親父の思いで話をする。
その後荷物を運んでいると兄貴が帰って来た。
顔を合わせ挨拶をしてから、腹ごなしに散歩してくる。と言って中山道を馬篭宿の方向へと石畳の道を木立の中へ消えていく。
久しぶりに歩く中山道。見慣れた景色だが道端には猩々バカマが多く見られる様になった気がする。ここから何十年も前に二株猩々バカマを持ち帰った事があった。
一度こおしん塚の前を通り過ぎ、近くの集落を散歩すると家の二階に投箕?を発見する。なんでこんな処にあるのだろう??
その先には半鐘が丘の上に立っている。
万が一この集落で火災が発生した時ここまで鐘を鳴らしに来るのはどんなに大変なことだろうかと人事ながら心配してしまった。
本当に久しぶりにこの辺りを散歩したがまだまだ新しい発見がある。
散歩の後は風呂に入り囲炉裏の間で冷えたビールで兄貴と乾杯する。
すると今晩のお客さんが到着する。
後で色々話をすると北海道は函館出身の姉妹で今回は函館からお姉さんが休みを4日間取り相模原に居る妹さんと木曽路の旅を楽しんでいるとの事だった。
夕食時には地酒の七笑いを薦めたら飲むと言うので湯呑茶碗に注いでやった。色々話すと妹さんは小生の家からも近い処に住んで居られるとのことだ。またなぜこの宿にしたのか?と聞いたら囲炉裏のある宿がいい。と言う事で旦那さんも勧めてくれた様だ。
姉貴の手料理と美味い酒に久しぶりにすっかりいい気分になり、身も心も暖かくなり暖かな布団の中でぐっすり朝まで夢の中だった。
自生しているくるみを使った五平もちは団子型、自家農園で採れた野菜の煮物、焼き魚は岩魚、茶碗椀蒸しは ほうろう蒸しで茶碗蒸しの中にレンコン団子が入り上層部には摩り下ろした自然薯でふたをしてある。 |
霜蕨をはじめとした山菜のてんぷら。この時期は山野草の新芽を摘むのに苦労する。 |
蕎麦サラダも美味い。 |
兄貴が民謡を聞かせてくれた。 |
買い出しとレフレッシュした翌日は7時半に朝飯を食べてから身支度を整え沢山のお土産を頂き9時前に宿を出発した。
兄貴が飲めないからと、兄貴が友達や馴染みのお客さんから頂いたお酒を持ってって飲んでくれと頂いた。酒以外にも今年採れた無農薬、はざ掛け天日干しの新米を頂いて帰って来た。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿