この酒は退職に当り後輩がお世話になったお礼だと言ってインドネシアに出張に旅立つ前日持って来てくれた物だ。
その後輩は、後輩と言うより私の部下だった。と言うのが表現としては正しいかも知れない。彼が入社した頃は休みが多く、有休も全て使い欠勤になってしまう程だった。会社に来ても調子が悪い、熱がある。風を引いた、腹が痛い。等々の言い訳をして帰ってしまうのである。
ある日のこと、組長が出張で居ない時に、班長に熱があるので早退したい。との申し出があり班長が小生の処に、その旨を言って来た。小生は「来たな!」と思ったので、体温計で熱を測る様に指示した。ところが何処かへ行って計ったらしい。が体温計が壊れて計れない!と班長に行ってた。
それを聞いた小生が壊れた体温計を持って来い!といったら暫らくして割れていた体温計をもって来た。それを良く見ると焦げた跡がある。何処で計ったか問いただすとトイレで計った様だ。推測すると平熱を熱がある様に装う為にライターで体温計を熱していた様で、それか加熱しすぎて破裂してしまったみたいだ。
注意しても中々怠け癖は直らず、暫らくしたら結婚するという。出来ちゃった婚だ。18歳で入社一年経たない内に結婚だ。休みも多くそれで養って行けるのか?と諭すも自分の子供なので責任を取ると言う。18歳のガキが何が責任だ!それでも両方のご両親が認めたのだからしかたない。
どう言う巡り合わせか小生の部下になった訳で、この先どうなるかも知れない奴だが、目出たい事なのでお祝いはしてやった。ただし祝いの言葉と少しばかりの人生訓を書いたメッセージカードを同封して、、、、。
それから子供が生まれた。此の時も二人にメッセージと共にお祝いもやった。しれから成人式を迎えた、この時も名刺入れと気を引き締める意味でベルト、一周懸命稼いで沢山入れる様にと財布をセットで成人祝いをメッセージと共に送った。
それでも怠け癖や休みの多いのには変わり無かった。有休は働く者の権利なので休んでもいい、だが欠勤はNGだ、しかも無断欠勤は言語道断だ。組長は面倒見切れない、辞めるのなら辞めさせちゃえ!と言うありさまだった。
その都度、事ある毎に注意し指導し、時には褒めてなんとか此処まで来た。そして小生が出張に出ている時に事件は起きた。彼が怪我をしたのである、一人で仕事をして居て梃子が外れて手の指を挟んだのだ。
組長に痛くて仕方ない。と申し出があり課長と相談の結果病院に行く事になった。診察の結果は挟んだ事に寄る打撲だ。大した事はなく俗に言う赤チン災害、普通ならこれくらいは大した事はい!と言ってお仕舞いだが、休みたくて大げさに騒いだ物だ、これで何千日の無災害記録がパーになってしまったのだ、
そんな彼も国内、海外と出張にも出れる様になり、また今は一人でもスーパーバイザーまでこなす様になった。社内に居る時も若い人の面倒も見れる様になったし、安全面でも物事を頼める様になった。
色々面倒を掛けた男だったが、インドネシアに出張に行く前に、小生の処へ来て「今までいろんな事で迷惑掛けたけど、〇〇さんがいたから会社を辞めずに済んだ、辞めなくて良かった。お世話になりました。日立のお酒です。飲んで下さい。」と言って今宵飲んだ、日立の銘酒横山大観が飲んで名付け親になったと言う「純米大吟醸 大観」をお礼だと言って持って来てくれた。
飲み口がすっきりしていてとてもフル―ティーな香りと口当たりの上品な酒だった。普段はビールしか飲まない彼がこんな粋な酒をプレゼントしてくれるとは夢にも思わなかった。
彼は今もインドネシアで一人会社の代表として据付けのスーパーバイザーとして頑張っている。彼の今後の活躍に期待したい!。
日立の銘酒「大観」 |
今日は外は雪であったが、お世話になって居るNさんが(のびるの味噌和え)だと言って持って来て頂いた。雪の中、春の野に出て若菜摘む、、。スッキリした口当たりの「大観」と春の野の味に舌鼓を打った今晩でした。卯杯で酒を飲み、右端はホタルイカの沖漬けで、真ん中はカジキとタコの焦しバター焼き、右上はメンタイ肉巻きの網焼きです。酒が進むな~。 |
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